2016/01/08 01:49

明けて2016年となりました。
本年もかわらず何卒よろしくお願い申し上げます。
この前まで冬だったのに、もう冬になってしまいました。過去最高に早い一年間の巡りです。
年始にあたり、少しくらいマジメに考えていることを綴ってみようかと。。
企業にお勤めのビジネスマンの方からすると、ヌルいタイトルから始まった文章ですが、お付き合いを。
年末年始には同窓会があったり、行政の方とお話する機会もあったりと、とかく人に会い、自分を見つめる時間が多くありました。
僕にお会いした非常に多くの方がどうも、会社というところに行かずに僕が循環型農業をしながら畑に年中居てることに「不思議だ」という印象を持っているようでした。それについて、僕の好きな内田樹さんが関連したことをやはりうまく論じてくださっています。

http://blog.tatsuru.com/2016/01/05_1639.php

野菜とお米作ってるというと、食っていけるのか?といった「お金」が必ず会話の中心にきます。
僕は「お金」には2種類あると考えています。
1_金額という数字記号としての「お金」
2_この人に支払いたい!という”相手”を思う「気持ちが伴ったお金」

あたりまえですが、どちらもお金なので有るに越したことはないのです。
社会人としてお金を稼ぎつづける必要がある私達には、上記1_2のどちらのお金と関わり合いたいかで過ごす時間や出会う人、感じる気持ちの質が、大きく大きく変わってしまうと僕は思います。

「応援もしていない企業のたった一日の動向を見てデイトレードするゲームのような投資」や「相手の要望やビジョンなどを無視してとにかく契約を撮り続けようとするネット契約やSEOの勧誘」が中身の伴わない数値としてのお金を手に入れる手段だったりするのかな。
「機能はほぼ一緒なのに不必要にモデルチェンジするプロダクトの数々」や「効率重視のために毛が少ない短期間で肥大する食用ニワトリの飼育」みたいなこともお金を優先することで出ている問題なのかなと思っています。

本来なら「誰かに喜んでもらうために丁寧に長く使ってもらえるようなもの」「これまでに見たこと無い、豊かな生活にしてくれるもの」「子供たちの次世代に残ってありがたがられるもの」「安心で持続可能な暮らしを提供してくれるもの」が優先されて、それらを続けるための努力や受験勉強、大学やセミナーであって欲しい。

僕は一度きりの人生を、キリのない数値記号としてのお金稼ぎのスパイラルに巻き込まれたくないと思っています。
企業の本質は利益を生み出すことだから、僕の言ってることに「何を生ぬるいことを言っとるんだ」という人がほとんどなんだろうなと思います。僕も企業時代がそうでしたが、いつまでも満たされない。溜まったストレスは稼いだ金を使って発散するしかない暮らしになってしまいます。。

「一度きりのLIFEをもっと豊かにする手段」として僕はたまたま農業をしています。
「自分の人生は自分で選んで、自分で作る。」当たり前のことだけれども勇気と時間のかかりがちなこのテーマに、個人で小さくてもアプローチできるのが今の時代では”農業”だと考えました。
企業組織から飛び出して畑やってみた結果がどうだったかというと、かけがえのない”自由”と、その自由のための”責任”を手に入れました。
だから、否が応にも緊張感・楽しさ・自主性や工夫が求められ、サバイバルな充実に満たされております。(おかげで20代の時のように山からMTBで駆け下りたり、スノーボードで高く飛ばなくても生きる実感には事欠きません。。)

また地方で暮らすには大きなお金なんて要らないので、子供の学費が高校までかからないとか、日々食べるものはおいしくて不安がないとか、このまま生きていたら100年後の孫の世代もニコニコ暮らしている孫の顔が想像できるとか、とにかくお金で解決できない本当に大切なことを行政に優先して欲しいと自然に思うようになりました。
金額記号としての目先のお金を手に入れるためや、自分の地位名声を保つために、本当に大切なものを簡単にぶっ壊したり&ぶっ壊していることに気づいていない無意識みたいなのは、後々困った未来になる引き金だと僕個人は思っています。

お金が必要なことは分かってる。でもそんなになくても日本という国に住んでたらタダで楽しめることがいっぱいあるんです。四季のめぐる景色や節句のようなイベント。美味しいお水がタダなのも日本だし、最近ならアプリやネットサービスも無料。少しだけ足るを知れば結構楽しいことに目が向けられる。循環や里山里海という知恵も昔の人は残してくれています。(←僕はこの里山や循環で楽しみ、働きながら価値を生み出して稼いでいます)

生きることはお金を手に入れることではなくて、豊かな時間を過ごすこと。

そのために働いてお金を稼いでおります。
お金を稼ぐために豊かな時間をあきらめたり、誰かの金儲けのために豊かな時間を過ごせる自然をぶち壊している現在。
まさに本末転倒。
各々の感じる「豊かな時間」はそれぞれ異なっていると思います。ちゃんと自分に向き合って、他人とも比較せず、個々の感じた豊かさをそれぞれに認め合えたら、多様性のあるオモシロイ時代になると思うなあ。
「みんな違ってみんないい」と言っていられる”場所と時代”は残して欲しい。
徒然とこんなコト考えてたら、オーガニックのトマト作りをしてました。
今年はさらにライフスタイルごと楽しくなれる農業とモノを作り出しますよ!皆さまご贔屓たまわりますよう御、なにとぞー!